【ARMYのリアルな声】BTS全米ツアー最終日レポート!!RMの配慮にファンは感激。

BTS 防弾少年団

米国現地時間6日(土曜日)の夜、BTS(防弾少年団)の全米ツアー最終公演が開催された。会場となったNYクイーズのシティ・フィールドは歓喜に包まれたが、コンサートの冒頭でBTSのメンバーRMはオーディエンスに注意を促した。「安全の為に、周りの人にくれぐれも配慮してください」

BTS全米ツアー最終日レポート

見事アメリカ・デビューを果たしたこの7人組は、これまでどのK-POPグループも成し遂げられなかったところまで上り詰めた。チャート新記録を次々打ち立て、5月にチャート10位にランクインした「Fake Love」をはじめ、トップ100入りも一度や二度ではない。今年だけで、全米アルバムチャートで2度もNo.1に輝いている。『Love Yourself 結 ‘Answer’』の発売第1週のセールスは18万5000ユニット。こんな数字を叩きだせるのは英語圏のビッグスターぐらいのものだ。

BTSがここまで成功したのは、昔ながらのショウビズ・パワーと、ウルトラモダンなソーシャルメディアの知恵のおかげだ。メンバー7人とも身体的に優れたダンサーで、身のこなしもスマート。斜に構えところと、センチメンタルな一面を併せ持つ。スタジオでは、吐息交じりに声を震わせて歌うかと思えば、いかにもな無愛想さでラップする。何十年にもおよぶアメリカのポップ・ミュージックの遺産を全てかき集め、それら素材を再構築してダイナミックな曲に作り替える。そうして完成した楽曲は、R&Bから90年代東海岸のヒップホップ(Boom Bap)、トップ40系ダンスミュージックまで多岐にわたる。

と同時に、遠く離れたかの地で熱狂的なファンベースを育み、密な関係を築いてきたことも、彼らをアリーナ級グループへと成長させた要因だ。「10年以上K-POPを聴いているわ。ティーンの頃からね」というのは29歳のキャロライナ。BTSを一目見ようと、ノースカロライナ州からシティ・フィールドにやってきた。「これまでBTSほどハマったグループはいないわ。彼らが発信するものはどれも素敵。胸にグッとくるの」

他にも何人かの観客が(大半が女性だが、付添役または献身的な相方として同行した男性も何人かいた)、BTS色に染まっていった経緯を語ってくれた。最初は見事なコーラスや、ゴージャスな外見から始まる。なかでも人気はJIMIN。クイーンズでもひときわ歓声を集めていたようだ(もっとも、ざっと見た限りではあるが)。「最初は、カッコいい男の子たちだなと思って、気になったの」というのは16歳のディミトリア。「そのあと、音楽もすっごくいいことに気づいて、止められなくなっちゃった」

35歳のビアンカは、BTSをアメリカで観られるという貴重な機会を逃すまいと、はるばるコロラドから飛んできた。彼女がグループに惹かれたのは「キャッチーなビート」。「そのあと、いろいろ調べてみたの」と彼女は続ける。「罠にかかったようなものよね。知れば知るほど虜になっていくんだもの」「みんな最初は、自分のお気に入りのメンバーから始まるのよ」というのは、ニュージャージー出身の20歳のアシュリー。「それからインタビューとか練習風景とか、ミュージックビデオを見ていくうちに変わっていくの」

BTSの楽曲の多くは大部分が韓国語で歌われているが、ファンはまったく気にしていないようだ。「YouTubeで韓国語の歌詞も調べられるし、英語で読むこともできるから、勉強にもなるわ」とディミトリア。部分的な言葉の壁が、音楽的魅力にさらに拍車をかけているのかもしれない。「歌詞を見るまではちんぷんかんぷん」というのは、同じくニュージャージー出身、18歳のニヴェーディタ。「歌詞を見て、その背景にある感情が理解できるの」(彼女もまたJIMIN一派の1人。「もうメロメロ!」)

ファンにとって、BTSは自己受容の源でもある。18歳のエミリーは、大学進学のためテキサスからボストンへ移ってきたばかり。「すごく気分が落ち込んでた。とくに私は有色人種で、白人ばかりの土地にいたから」。彼女は、メキシコ人やメキシコ系アメリカ人に対するトランプ大統領の攻撃的なスピーチを引き合いに出した。「メキシコ人だから、あのスピーチのせいで私自身がよく分からなくなったの」とエミリーは続けた。「でも(BTSの)メッセージは素敵よ。きっと私も価値ある人間なんだって」

これらすべてを考慮すれば、シティ・フィールドの駐車場で1週間も泊まり込みするファンがいたこともうなずける。ビアンカも、友達と一緒に木曜日にやってきて、泊まり込みに参加した。コンサート当日の朝、彼女らは朝4時に移動して、ファン垂涎の入場ブレスレットを手にするため行列に並んだ。長時間並んだかいがあって、ステージに近い場所を確保できた。開場は午後4時。コンサートが始まる7時ごろには、ビアンカの3人の友人は意識がもうろうとしていたという。

コンサートそのものは、これでもかといわんばかりにチャーミング。さながらBTSと観客の長く、たわいもない愛の語らいといったところだ。メンバーたちがコケティッシュなルックスで登場すると大歓声! それからひと呼吸おいた後、さらに大きな歓声! 全米ツアーを締めくくるスタジアム・コンサートの意味をかみしめるかのように、JIMINがシャウトすると、観客の熱気も大爆発。メンバーの1人がシャツをたくし上げ、ほんのつかの間肌を見せるだけで、クイーンズは大いに沸いた。

BTSは、メンバー勢ぞろいでヒット曲を連発。リミックス版ではニッキー・ミナージュが参加したラップナンバーの「IDOL」、そして「Fake Love」ではエモラップでは珍しく、コール&レスポンスが怒涛のように鳴り響いた。スティーブ・アオキがリミックスを手掛けた「Mic Drop」は、凛とした小気味よいヒップホップ。バックトラックが心地よいポップソング「DNA」、トラップとトランスを融合した激しい「I Need U」、自己肯定への長い道のりを歌った「I’m Fine」。7人全員がステージに揃うとき、彼らは隊列を組んだかと思うと、たちまち四方へ飛び散って、ニーヨやミッシー・エリオットのビデオで何度も繰り返されてきた定番の動きをもとに、思い思いに踊り出す。

7人もいれば、どんな状況にも対応できる。BTSもその点抜かりはない。メンバー1人1人にソロパートが割り当てられ、シティ・フィールドのコンサートに彩りを添えた。Vは、テヴィン・キャンベルが1993年に歌っていてもおかしくない甘いR&B「Singularity」で、胸の高まりをやさしく歌い上げた。このバラードは8分6拍子だが、Vは自分の身体を押さえきれないとでもいうように、意図的に素速い動きのダンスを披露した。

JIMINはケンドリック・ラマーの「ラヴ」そのまんまというような「Serendipity」で、シティ・フィールドの観客を魅了。小刻みな手の動きで身体の線をなぞり、キラキラ光るシャツをたくし上げた。ピアノに向かったJINは、会場にライトがともる王道バラード「Epiphany」を歌い始める。途中から彼は文字通り階段を上り、最後のサビでは胸の内をさらけ出すように歌い上げた。

アンコールも含めて正味90分、見どころ満載のコンサートもいよいよフィナーレ。BTSも最後のしめくくりに入った。JIMINが泣き出す。RMは「自分の人生を変えた音楽のふるさと」とニューヨークに別れを告げ、ファンに向かって「アメリカのスタジアムで初めてコンサートをした、初の韓国ミュージシャン」の存在をあらためてアピールした。

「意図していたわけじゃないけど、僕はみんなの存在のおかげで、自分を好きになれたような気がする」とRMは付け加えた。「みんなもぜひそうしてほしい」。そして観客はその通りにした。

引用:RollingStone